建築デザインは制約の塊です.
建築法規、快適性、低燃費、CO2削減、長寿命化、工事予算、クライアントの要望、近隣の要望、地域の要望などの多種多様なハードルを一つ一つクリアーしていってはじめて社会的に説得力のあるデザインに至るのです。
さらには、それを使う人も周辺の人も共に喜んで受け入れてくれる建物が本当に良い建築の定義だと考えています。
ひたすらコンセプチュアルであったり、自己満足的、排他的なデザインは、人里離れた森の中でしたら構いませんが、不特定多数の目に晒される市街地においては、自重すべきものです。
敷地を取り巻く環境の特徴は、地域によって異なります。周辺環境が建築のデザインに影響を及ぼすのはとても自然なことだと思います。
建築家の職能では、優れた造形感覚を身に着けていることと同時に、いつでもどこでも特定のプロジェクトを取り巻く経済環境や文化的環境を冷静に把握しプロジェクトに迅速に反映できる能力が必須条件であるとの原点に立って、日々の仕事に取り組んでいます。
タオアーキテクツ 木村丈夫
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